少年式 校長式辞

2019年2月4日 15時04分

少年式 校長式辞を掲載いたします。

ご一読ください。

 

 

少年式 式辞

梅のつぼみが春を告げる季節となりましたこの立春のよき日に、

少年式を迎えられた2年生の皆さんとご家族の方々に心からお祝い申し上げます。

 また本日は、お忙しい中、多くの御来賓の皆様の御臨席を賜り、

平成30年度「少年式」をこのように盛大に挙行できますことを深く感謝申し上げます。

 さて、少年式は、いよいよ「大人」への階段を上り始めた2年生の皆さんをお祝いするものでが、

「大人」という言葉が漠然としていて、皆さんにはなかなかイメージしづらいかもしれません。

私自身が中学生のころは、どちらかというと回りにいる大人に対して反発的な見方をしていたことの方が多かったと思います。

それよりもテレビや映画に出てくるベテラン俳優を見て、「かっこいい大人だなあ」と憧れていたものです。

自分の親と同世代であった石原裕次郎さんと高倉健さんには特に憧れていました。

今はお二人とも他界されていますが、人間的イメージを一言で表現すると、

裕次郎さんは温かい太陽、健さんは高くそびえる険しい山でした。

二人とも若い時から亡くなるまで不動の人気があった昭和の大スターでしたが、

ファンだけでなく同業者・関係者、スタッフなど誰からも尊敬されていたそうです。

そんな二人は何を大切にして生きていたのか、そのポリシーを紹介したいと思います。

まず、石原裕次郎さんのポリシーは3つ、「人の悪口は絶対口にするな。人にしてあげたことはすぐに忘れろ。

人にしてもらったことは生涯忘れるな。」ということです。

人との出逢い、人との「恩」を大切した生き方を貫き、そして大スターであっても謙虚さを忘れない。

そんな彼には、やがて石原軍団と呼ばれる彼を慕う人たちが集まり会社ができたほどでした。

その会社の石原プロモーションといえば、阪神淡路大震災や東日本大震災など、被災した人たちがいれば

必ず全員で現地に向かい炊き出しを行うことで知られ、人を大切にする裕次郎さんの遺志が受け継がれています。

一方、高倉健さんは、「寒青(かんせい)」という言葉を大切にしていました。

凍てつく風雪の中で、木も草も枯れ果てているのに松だけは青々としている。

一生のうち、どんな厳しい中にあっても、自分はこの松のように青々とそして活き活きと人を愛し、

信じ、触れ合い、楽しませるような人でありたいと思っていたそうです。

言葉数は少なくても全身から滲み出てくる人間性に誰もが引き付けられました。

人を大切にする生き方を貫く石原裕次郎さん、力強く生き抜く姿を黙って示す高倉健さん、

対照的な生き方をする二人ですが、どちらの生き方も「大人」としての魅力を強く感じるものでした。

 

2年生の皆さんは、この少年式を機にどんな「大人」を目指しますか。その選択は自由です。

自分らしく、世の中を支える立派な人格者として、正義を貫ける強く逞しい「大人」に成長してもらいたいと願っています。

 最後になりましたが、保護者の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。

本日はお子様が少年の日を迎えられ、誠におめでとうございます。

学校と保護者と地域がさらに一丸となってこの子どもたちの栄えある未来のために、

なお一層のご支援を賜りますようお願い申し上げまして式辞といたします。

 

平成31年2月4日     四国中央市立三島西中学校長 酒井 学